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「115歳の日々」:……もしかしてこれ黄金の日々

 日曜日の朝日新聞には「朝日歌壇・俳壇」という短歌と俳句の投稿欄が掲載されます。7月7日付けの朝日歌壇に東京都の篠原めぐみさんという方の次のような短歌が選ばれていました(選者は佐々木幸綱さん)。17日間の入院生活を終えて、義母がわが家に帰ってきた日の翌日の新聞です。

  ありがとうごめんなさいと介護するもしかしてこれ黄金の日々

 ほんとうにそうなのだと思いました。もうほとんど話さなくなった義母ですが、一緒に暮らす日々は私たちだけに与えられたとても大切な時間に思えます。いつかこの日々も終わると思うと、切なくなるほど愛おしい時間だと思ってしまいます。
 とても無口になってしまった義母ですが、起き伏しを介助したり、服を着替えさせたり、食事を手伝ったりすると「ありがとう」と言ってくれます。妻にも私にもヘルパーさんにも「ありがとう」と言います。
 認知症が進んで言葉を失ったかのように無口になった義母の中に「ありがとう」という言葉だけはしっかりと残っているようです。義母はほんとうに素敵なひとつの言葉を持ち続けていて、介護する私たちを慰め、励ましててくれるようです。 苦しい介護を喜びの介護に変える魔法の言葉に思えます。
 妻にこの短歌を見せると、「そう、ほんとうにそう……」と言ったまま黙り込んでしまいました。母との貴重な時間、残された「黄金の日々」を思いやっていたのでしょう。 

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2019年1月1日の義母




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No title

本当に素晴らしい短歌ですね・・

そういえば私事ですが、母が倒れて術後、
目が覚めたとき何気に言われた言葉なのですが
「私が今までしてきて良かったと思うのは
人の悪口を言わない、そしていつもありがとうと言う」
「コンビニでお釣りをもらったときも
小さい子供から声をかけられたときも」
「ありがとうの言葉は本当に気持ちがいいの」と・・
朦朧としているときのこの母の言葉がとても強く残っていて
今回の記事で再びそれを思い出してしまいました

苦しさが喜びに変わる魔法の言葉が絶えない黄金の日々が
これからも穏やかに続くこと願っています・・(´ー`)

Re: No title

> 本当に素晴らしい短歌ですね・・
>
> そういえば私事ですが、母が倒れて術後、
> 目が覚めたとき何気に言われた言葉なのですが
> 「私が今までしてきて良かったと思うのは
> 人の悪口を言わない、そしていつもありがとうと言う」
> 「コンビニでお釣りをもらったときも
> 小さい子供から声をかけられたときも」
> 「ありがとうの言葉は本当に気持ちがいいの」と・・
> 朦朧としているときのこの母の言葉がとても強く残っていて
> 今回の記事で再びそれを思い出してしまいました
>
> 苦しさが喜びに変わる魔法の言葉が絶えない黄金の日々が
> これからも穏やかに続くこと願っています・・(´ー`)

いつもコメントありがとうございます。
「ありがとう」は言われる方ばかりではなく、それを言う本人も救う言葉なのですね。
退院してからはほとんど言葉を発することがなかったのですが、今日は朝からはっきりしていて食事のためにエプロンと袖カバーを着けたら「ありがとう」とはっきりした声で言ったので、だいぶもとのように元気になってきた感じがします。
どうかこのままで………、そう願うばかりです‼️
プロフィール

小野寺秀也

Author:小野寺秀也
山歩き、アユ釣り、ヤマメ釣り、山菜採り、茸狩り、花いじり、読書、美術館巡り、街歩き、などが趣味。加えて、犬と遊ぶこと、ぼんやりしているのも趣味の一つです。最近は、原発事故による放射能汚染で魚、山菜、茸は諦めています。

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