山の花:寒風山(2007年10月13日)とキノコの放射能汚染

 1117.3mの寒風山は、仙台から山形県天童市へ向かう国道48号の関山峠から登る山です。登山口は、関山トンネルの宮城県側入口の脇にあります。
 寒風山から奥寒風山、戸立山、前白髭山、白髭山とほぼ同じような高さの峰が連なっていて、さらに仙台カゴ、楠峰と宮城-山形県境を辿って船形山まで登山道は続いています。
 いつもは戸立山くらいまで歩くのですが、この日は関山峠から寒風山往復と軽い山歩きでした。花を撮るつもりが、季節柄キノコの写真が多くなりました。
 2011年3月11日の東日本大震災に続いて東京電力福島第1原子力発電所で起きた原発事故で大量に撒き散らされた放射能による汚染のため、いまではここ宮城県のキノコは食べられなくなりました。この頃の山歩きは、キノコ狩りも兼ねてとても楽しいものでしたが、いまはとても寂しくなりました。

寒風山1-1
ノコンギク。どちらも紺色の気配はなく白花でした。

寒風山1-2
ナンブアザミ。花数が少ないので別種かもしれませんが、葉裂が小さく鋸歯状になっていることだけが根拠です。ナンブアザミにはこのような葉のものまで変異が多いということです。

寒風山1-3
同定の難しい茸ですが、若いアシグロタケではないかと思います。

寒風山1-4
ナラタケ。茸狩りではおなじみの種類です。放射能汚染でこの3年は食べていませんが……。

寒風山1-5
ヌメリツバタケモドキ。木の幹に生える茸で食べられます。味は淡泊で、よく吸い物などにして食べていました。欠点は、肉が薄いため持ち帰る際に潰れて姿が悪くなることです。

寒風山1-6
ヒトヨタケ。食べられる茸ですが、大きくなったときに黒く変色して、じめっと溶けるように崩れるという印象が悪くて、私は食べたことがありません。写真のような若いときに食べるのだそうです。

寒風山1-7
フジバカマ。寒風山の尾根筋にやたらに生えていました。

寒風山1-8
これは花でも茸でなく、花や茸の撮影しようとすると「なに? なに?」とばかりに寄ってきて、撮影を邪魔するイオです。

寒風山1-9
モエギタケの仲間。モエギタケとは微妙に色は違いますが、姿形はモエギタケそのものです。

寒風山1-10
サワフタギ。とても魅力的なブルーの実がなっています。

寒風山1-12
ユキザサ。花は小さな白い花であまり目立つわけではありませんが、実は真っ赤で山道ではよく目立ちます。

  キノコも含め、食べ物の放射能汚染に関しては、国の規制値100Bq/kgを越えたものは出荷販売してはならないことになっています。しかし、市場に出回っている食品すべての放射能量が量られているわけではありません。
 仙台市に「小さな花 市民の放射能測定室」という個人ボランティアでいろんなものの放射能汚染を測定している施設があります。そこの2014年3月23日付けの報告にサクラシメジの実測がありました。

  サクラシメジ 仙台市太白区 
    生 セシウム合算 641.31ベクレル
    乾燥 5361.85ベクレル
    いずれも6倍、53倍基準越え


 恐るべき汚染量です。ところが、仙台三越で地元産のサクラシメジが売られていたのです。当然ながら国の規制値を越えていました。以下はNHKの報道内容です。

「仙台市の仙台三越で、14日から販売された野生のきのこ“さくらしめじ”から、基準を超える放射性セシウムが検出されたとして、仙台三越は、この きのこの自主回収を始めました。
仙台市で採れた別の野生のきのこでも基準を超えていたとして、宮城県は仙台市産の野生のきのこの出荷を自粛するよう要請しました。
自主回収されているのは仙台三越の食品売り場“いたおろし”で、14日から16日まで販売された野生のきのこ“さくらしめじ”です。
17日に、厚生労働省が販売されている商品を抜き打ちで検査したところ、基準を超える放射性セシウムが検出されたということです。
宮城県の林業振興課によりますと、県は、基準を超える食品が市場に出ないように流通前の農林水産物をサンプル検査しているということですが、野生のきのこは種類が多いことなどから「基準を超える商品が流通する可能性を把握しきれなかった」としています。
これを受けて、宮城県は、仙台市で採れた別の野生のきのこを検査し、2種類のきのこから基準を超える放射性セシウムが検出されたということで、県は、22日付けで、仙台市産のすべての野生のきのこの出荷を自粛するよう生産者などに要請しました。」


 こんなふうに規制値を超える放射能汚染食品が世間に出回っているのは間違いありません。最低でも南東北、関東、中部の一部の天然キノコは避けたほうがいいようです(きちんと放射能を測定して安全が確認されたものは別ですが)。
 それと、このニュースで注意すべきことは、どれぐらいの放射能だったのか数値が伏せられていることです。放射能に関しては、いつもこのようにできるだけ隠蔽しようとする力が作用しているようです。そのため、消費者が情報を入手することが難しくて、自己防衛がままならないということになっています。
 また、三越が発表した「お詫びとお知らせ」の中に「なお、喫食された場合も直接健康被害に結びつくことはございません」という一文がありました。確かに他の毒物と違って、この程度の量ですぐ身体に異変が出ることはないでしょう。ただし、他の毒物と違う最大の特徴は、放射線による体内被曝によって細胞内の遺伝子が傷つけられ、遠い将来、白血病などの癌(悪性新生物)が発生する可能性は残るのです。
 原発事故以来、「直ちに健康被害はない」という言葉をよく聞きますが、これは「直ちに健康被害はないが、将来のことは知らない」という意味に解釈しなければなりません。
 私は、東北大学工学部原子核工学科で大学院修士課程まで原子力工学を学び、「第一種放射線取扱主任者」の資格も持ち、一時期は職場で放射線作業の安全管理業務を担当したことのある人間として、現状の放射線に関するいい加減な扱いに本当に心を痛めています。
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No title

すごいですね。
現実的になりました。
まだまだ なんとなく自分のことではない気がしてました。

食べ物に まだ こんなに入っているなんて
とても怖いです。

Re: No title

> すごいですね。
> 現実的になりました。
> まだまだ なんとなく自分のことではない気がしてました。
>
> 食べ物に まだ こんなに入っているなんて
> とても怖いです。

怖いんですが、ちゃんとした情報がないと私たちは何も対応できないというのがこまりますね。
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Author:hdyondr
山歩き、アユ釣り、ヤマメ釣り、山菜採り、茸狩り、花いじり、読書、美術館巡り、街歩き、などが趣味。加えて、犬と遊ぶこと、ぼんやりしているのも趣味の一つです。最近は、原発事故による放射能汚染で魚、山菜、茸は諦めています。

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